そのキスで、忘れさせて






画面は急に遥希を映す。

心臓が止まりそうになる。





遥希は相変わらずにこにこしていて。




「遥希さん、如月さんにひとことありますか?」




司会者は意地悪な質問をする。

それでも、遥希は笑顔で。




「楽しみにしています。

頑張ってください」




彼女にそう告げた。

如月ユイカは遥希を見て、目を細めて笑って。

なんだか思ってしまった。

これじゃ、遥希と如月ユイカが付き合っているみたいじゃん、と。

あたしなんて、ただの邪魔者だと。





「それでは、今日の一曲目。

如月ユイカさんで『好きです』」




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