そのキスで、忘れさせて




ハルキは黙ってあたしを見続ける。

全てを見透かされてしまうようなその瞳に見つめられ、とても居心地が悪い。

それでも負けない!





だけど……




「彼氏じゃなきゃ、何だ」




ハルキは静かに言う。




「言っただろ。

付き合ってやるって」






顔も本名も知らない。

知っているのは、ハルキという名前のみ。

胡散臭いことこの上ないハルキを……信じてもいいの?



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