そのキスで、忘れさせて




必死で抵抗した。

このまま遥希と駄目になっても、誠と戻るつもりなんて全くなかったから。

それなのに、誠の力は思いのほか強くて、やっぱり負けてしまうあたし。

誠はあたしに唇を付け、無理矢理舌をねじ込み、あたしを床に押し付ける。



怖い……

今は、誠に抱かれるのがすごく嫌で怖い。




あたしは恐怖に震えていた。






「ごめん、美咲。

最後に抱かせて。

そうしたら、諦めるから」




誠は泣きそうな顔であたしに言って、ブラウスを捲り上げた。

そして、胸へと顔を落としていった……



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