そのキスで、忘れさせて
遥希は気まずそうな顔をした。
だから、あたしも息を飲んだ。
遥希はどんな嫌なことを告げるのだろう。
そう思ったが……
「収録後に帰ろうとしたら、確かに呼び止められた。
それで、元気にしてるか聞かれて……
あいつは近々結婚するらしい。
だから俺も、結婚するって言った」
「え!?」
予想外の話だった。
予想外すぎて、またまたびっくりしてしまうあたしを、遥希が睨む。
ようやくいつもの遥希様のお出ましだ。