そのキスで、忘れさせて
「いつも言うけど……
お前は嫌なのか?」
「いっ……嫌じゃないよ!」
慌てて言う。
「嫌じゃない!
嫌なはずないよ!!
こんなに後戻り出来ないくらい、遥希が好きなのに!
遥希のこと以外、考えられないのに!!」
だから、嬉しい。
本当に遥希と結婚出来たら、すごく嬉しい!
遥希はあたしを見て嬉しそうに笑う。
笑うと細くなるその瞳、上がった口角。
その全てが愛しい。
愛しいなんて一言で言い表せないほど、愛しい。