そのキスで、忘れさせて
少し驚いた。
そして、嬉しかった。
そんなことを言ってくれる人もいるのだと思って。
会ったこともない、どんな人かも分からない『しんご』。
そんな『しんご』の存在が、少しだけあたしを強くした。
そしてあたしは、震える手でテレビをつけていた。
きっと、テレビの中でも遥希の熱愛の話題が出ているんだろう。
そしてあたしは、またショックを受けるのかもしれない。
だけど……
明るくなった液晶に映されたのは……
あたしの大好きな彼らだった。