そのキスで、忘れさせて
「交際を認めてもらえたけど、料理コーナーを辞退するつもりはない」
「なんで?」
思わず聞いてしまった。
「いい夫になると認めてもらいたいし……
美咲にも作ってやりたい」
「ふふ。ありがとう」
嬉しくて、遥希にしがみつくあたし。
こんなあたしに、
「煽ってんのか」
遥希は小さく言う。
遥希こそ煽ってるの?
あたしもドキドキが止まらない。
最近の嫌なドキドキじゃなくて、遥希に出会った頃に感じていたドキドキだよ。
甘くって、胸がきゅんとなって、身体がうずうずして。
やっぱり遥希が大好きだと実感する。