そのキスで、忘れさせて
「俺を助けてくれた奴らや、認めてくれたファンのために、俺はこれからも働かないといけねぇ」
そう言った遥希は、すっきりした顔をしていた。
そんな遥希の言葉に、あたしは頷いていた。
遥希はじっとあたしを見た。
少し紅くなった頰と、熱い瞳に焦げてしまいそう。
「俺は今まで、周りの人間を大切にしていなかった。
壁を作って孤立していた」
「うん……」
「だけど、俺は思っていた以上に仲間に恵まれていたんだと思う」