そのキスで、忘れさせて






「遥希、何してたの?」



陸の言葉に、



「先に昼食食べようかと思って。

でも、時間がなくなって急いできたんだ」



爽やかスマイルの遥希が言う。




「先に昼食?

今から食べるでしょ」



「だよねー。

僕、何考えてたんだろう」






目が点になる。

開いた口が塞がらない。

からかってるの?

いや、あたしが気にしすぎなの?

でもさ……

どう考えても、遥希とハルキが重なって仕方がない。

ハルキはあんなに爽やかじゃないのに。

にこにこ笑わないのに!

僕なんて言わないのに!!



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