そのキスで、忘れさせて
「大切な人が落ち込んでる時、元気付けてあげたいなぁって思って、こんな店に来るかなぁ。
例えば、彼に浮気されたとか」
またまた黄色い悲鳴が上がる。
「僕はかっこいいこと出来ないだろうから、一緒に食事に行って、話を聞くことしか出来ないけど」
あたしはリモコンと携帯を持ったまま、画面を見つめて固まっていた。
にこにこ笑う遥希を呆然と見つめながら。
……どうなってるの?
どうなってるの!?
どうしたらいいの!!?