そのキスで、忘れさせて






「美咲、おはよう!」



いつものように挨拶してくれる、同期の泉に、



「おはよう」



いつものように笑顔で挨拶をする。

泉はその愛くるしい笑顔であたしに言う。




「今日も誠君の家から出社?」





ズキン……



と、胸が痛むことはなかった、不思議なことに。




あれだけダメージを受けて、立ち直れないと思ったのに。

むしろ、すっきりしているのはなぜだろう。



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