そのキスで、忘れさせて
だけど……
やっぱり遥希の存在が気になって、あたしはハルキを凝視する。
顔の下半分はマスクで隠れていて、目深に被った帽子と眼鏡で、目もはっきり分からない。
だけど、かろうじて見える目元は堀りが深くて、やっぱりかっこいい。
「ハルキってさ……」
ドキドキドキドキ……
心臓が止まりそう。
「ハルキってさ……」
声が震えている。
もし、ハルキが遥希なら、あたしはどうすればいいの?
ハルキはじっとあたしを見た。
その視線に殺されそう。
だけどあたしはゆっくり言葉を発した。
「ハルキって……
TODAYの遥希なの?」