そのキスで、忘れさせて
ハルキが急に止まるから、あたしは大きなハルキにぶつかって倒れそうになる。
そんなあたしを、やっぱりスマートに抱き止めるハルキ。
その行動がいちいちキザで……かっこよくて困る。
ハルキは前を向いたまま、静かに言った。
「じゃ、お前の家に行く」
「……は?」
「この近くなんだろ」
「はぁぁぁぁ!?」
だから、そういうことを言ってるんじゃない!!
必死に抵抗したが、ハルキはあたしの手を掴んだまま、あたしの家へと向かった。