そのキスで、忘れさせて






覚悟を決めて、開いた扉。

汚いとか、狭いとか、元彼の荷物何とかしろとか言われると思った。

だけど、意外にもハルキは何も言わず、どかっとソファーに座って部屋の中を見回す。

そして言う。





「お前、Fのファンなんだ」




そんなハルキに言ってやる。




「あんたが遥希じゃなくて碧なら、本気で惚れてた」




可愛くないあたしの言葉に、ハルキは再び鼻で笑った。

これでFの話は終わりだと思った。



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