そのキスで、忘れさせて
すぐに既読になり、返信がある。
ーは?
ーあんた、やっぱりむ、
あたしの手は震えていた。
『無理』と送るつもりが、震えのせいで『む、』になってしまった。
あぁ、こんな時まであたしは愚かだと、自虐的に笑った。
そして、少しだけ冷静になった頭で思った。
早く遥希から離れなきゃいけないと。
あたしがこの先、恋愛シーンに耐えられるはずがない。
ーふざけんな。待ってろ、すぐに行くから
遥希からはそんなメッセージが届いていた。