【完】弁当バトル―あなたのために走ります―
「寒いし、教室入ってから話す」
「うん、そうだね」
確かに寒い。すごく寒い。
寒いといわれたら、余計に寒くなってきた。
綺麗な夕焼けが眼前に広がってるけど、それどころじゃない。
「……寒い」
「早川って、本当に鈍臭いよな」
「うるさい」
「体感温度とかも感じにくいんじゃね?」
「それはないから」
「寒いんだろ?」
「ま、まあ……」
「じゃあ、さ……着ろ」