【完】弁当バトル―あなたのために走ります―
「確かにそうだった。でも、岬はいつも買えてるの……どうして?」
「俺はスゲェ奴だからな」
「自画自賛かい」
「まあ、トロい早川葵には無理かもな」
いわれるまでもなく、そんなことわかっています。わかっているから、言い返せない。
そんなわけで、狙いは金曜日。
数学の堀田先生は、めちゃくちゃ早い授業をする分、終わりも早い。
「だからって金曜だけを頼らず、他の曜日も狙っていくぞ」
「もちろんですとも!」
私はおせんべいをかじりながら頷く。