【完】弁当バトル―あなたのために走ります―



 隣の席の岬陸斗。私を早川葵なんて、時々フルネームで呼ぶちょっと面倒くさい奴。そしてライバル。



 爽やかな笑顔が眩しくて、野球を好むスポーツ馬鹿。冬だというのに日に焼けた健康的な肌が、やっぱり眩しい。



 岬の手にはいつもおばちゃんのお弁当が……。



「幕の内弁当!?」


「え? そうだけど?」


「え、今何時!?」


「12時半くらい?」


「うわぁぁぁ! やっちゃったぁぁぁ!!」


「早川が吠えた」


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