【完】弁当バトル―あなたのために走ります―
欲しいのは欲しい。でも生徒が何百人もいる中で、たった3つの幕の内を買えるだろうか。
「大丈夫。500円なんて俺たち高校生からしたら高い。唐揚げが5日分だぞ」
「そうだけど」
「狙うやつは少ない」
少ないとはいっても、買いたい時にはいつもない。
そんな私の不満が表情でわかったのか、岬はあろう事かデコピンをした。
「痛!」
「早川がトロいから、いつもないんだろ」
「う……」