【完】弁当バトル―あなたのために走ります―



 欲しいのは欲しい。でも生徒が何百人もいる中で、たった3つの幕の内を買えるだろうか。



「大丈夫。500円なんて俺たち高校生からしたら高い。唐揚げが5日分だぞ」


「そうだけど」


「狙うやつは少ない」



 少ないとはいっても、買いたい時にはいつもない。
 そんな私の不満が表情でわかったのか、岬はあろう事かデコピンをした。



「痛!」


「早川がトロいから、いつもないんだろ」


「う……」


< 42 / 80 >

この作品をシェア

pagetop