【完】弁当バトル―あなたのために走ります―



 月曜日。



 4限目の国語は案の定、長引いた。5分オーバー。やっと終わったとほっとした私だけれど、岬はすでにいないと気づく。



「出遅れた!」



 それでも私は必死に走るけれど、間に合わない。カツ丼を手にする岬とすれ違う。



 火曜日。



 この日は社会。なぜか秀才の伊藤くんが先生にわからない所があると質問したせいで、3分オーバー。
 今度はカレーライスを持つ岬にすれ違う。



「おのれ……」



 同じ時間に動き出しているはずなのに、岬となにが違うのだろうか。


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