【完】弁当バトル―あなたのために走ります―
負けた。
さようなら、私の幕の内弁当。さようなら、私の青春……。
勝手にそう思ったら泣けてきた。夕日がとても痛い。
「もしかして、泣いてる?」
まさか誰かがそこにいるなんて思わなくて勢いよく振り返る。教室からベランダを覗く……岬だった。
「唐揚げ食べながら?」
すごく嫌な奴。
いつも買えちゃう岬にこの気持ちがわかるはずがない。この虚しい気持ち、わからないでしょ?