【完】弁当バトル―あなたのために走ります―



 笑いながら箸でつまんだ鮭を目の前に持ってくる岬。いつもこうやって私をからかう。本当に腹立つ。



「食べるか!!」



 私は立ち上がって廊下に出る。



「また唐揚げかぁ」



 いつの間に、授業が終わっていたんだろう。
 私は弁当が食べられないまま、卒業しちゃうのかな。



 切ない。



 岬陸斗め、いつか必ず勝ってやる……いや、買ってやるんだから!



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