【完】弁当バトル―あなたのために走ります―



 岬は私の隣に立つ。手すりに寄りかかって、私に横顔を見せつけるように動かない。



 無言のまま、質問の答えが返ってこない。
 不安になって岬を見つめていると、あまりにも凝視する私の視線に耐えられなくなったみたいで、前髪が表情を隠してしまう。



「……感謝してる」

「感謝?」



 ポツリと、岬が言葉を紡ぐ。
 いきなり何をいい出したのか理解できなくて、私は口を開けてひどい表情をしていたと思う。


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