【完】弁当バトル―あなたのために走ります―



 私が誘うと岬は頷く。
 だから私はベランダを出ようとしたんだけど、腕を引かれて止められてしまう。



「岬?」


「早川、が……」


「え?」


「幕の内弁当買うとさ、早川が俺を見てくれるから……」



 岬はなにを言い出したかわからなかったけれど、後ろを向いたままなのも失礼かと思い、振り返って岬を見る。


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