【完】弁当バトル―あなたのために走ります―



 早口でまくし立てるようにいったからか、伝え終わると息が切れる。



 お互いに黙り込んでしまう。



「いつ、だ?」



 掠れた声。岬がやっと手を離してくれた。



「いつまで、待てばいい」


「……卒業までには」


「ごめん。待てない」


「――岬っ」



 抱きしめられ、途端に岬の温もりに心が奪われる。


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