【完】弁当バトル―あなたのために走ります―



「早川……いや、葵」


「は、い」



 名前で呼ばれるなんて、心の準備が出来ていない。



「自分の魅力に気づいてないのか?」


「なに、それ」


「本当に大好き」


「や、やめてよ」



 ぎゅっと抱きしめる岬……陸斗の顔が近づいてきて、堪らず呟いていた。



 でも、間近に見た陸斗の表情は、イタズラっ子みたいにニヤニヤしてる。


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