肉食御曹司に迫られて
23時12分

「奈々、彼?出なよ!」

「結花、面白がってない?」

といいつつ、これ以上遅くなると、連絡取れないかも…とこそっと電話に出た。

「もしもし。」

「もしもし?その声だと、まだ外だな。」

「うん、ルポゼって店。」

「ルポゼ?駅の近くの?」

「そう。」

と話していると、向こうから、呼ばれる、

『水澤、水谷、2次会行く~??』

そんなやり取りをしているのが、湊にも聞こえていたようだ。

「2次会?」

「そうみたい。」

「こないだの、男は?」

「どうだろ?行くのかな…あたしは、2次会行かないけど…」

そこで、ブツっと電話が切れた。

慌てて携帯を見ると、充電が切れていた。

(- やばい。)

「結花、携帯かして充電切れた!」

「いいけど…電話番号覚えてるの…?」

「…覚えてない。」


(-帰って充電して電話しなきゃ。)

お開きになり、ぞろぞろと外に出る。
「結花、ごめん、急ぐからここで帰る。まだ電車あるし。」
結花にそう告げ、帰ろうとすると、

「水澤、2次会は?」
藤堂が声を掛けた。

「今日はやめときます。」
立ち止まってそう返すと、藤堂は少し近くにより、
「2人でもう少し飲まないか?さっきの話の続きをしたい。」

その様子を、少し離れたころで見ていた結花は、助けるように、

藤堂に近づき、
「マネージャー、近くないですか?」
と微笑んだ。


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