肉食御曹司に迫られて
仕事ならすぐ冷静になれるが、完全にオフモード。

「…あっ、ありがとうございます…じゃあ…」
と慌てて、横に置いてあったビールを手渡す。

「いいの?じゃ、遠慮なく。」
と彼は柔らかな瞳を向け、奈々の横に座った。

奈々は横に座る彼をちらっと見て、
「出てきちゃって大丈夫でした?お連れの方いましたよね?」

「いいの、いいの。どうせ、昔からの連れと飲んでただけだから。」

そして、さっきとはうって変わった、いたずらっ子のような瞳を向け、
「こんな綺麗な人と飲めてラッキーだよ!」
とその彼は笑った。

「あはは・・・!!上手なんだから!」
その彼の笑顔に、一気に奈々も緊張がとけ、笑顔を向ける。

「えーホントのことだよ。俺は湊。」
笑顔を向けながら、湊は名乗った。
「あたしは、奈々。」

「奈々ちゃん、こんな夜に何してたの?」

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