肉食御曹司に迫られて
湊はそのメッセージを見て、父親の言葉を思い出した。
会えば、奈々の所に行くかもしれない。
(- でも…。このまま、無かった事にできるのか?そんな事…。)
【わかった。金曜日は?】
湊は返事を返した。
【OK】
携帯の文字だけでは、全くわからない、お互いの気持ちを推し測っていた。
金曜日、仕事帰り、いつもの駅前で湊と奈々は待ち合わせた。
時間になり、湊のカイエンが目の前に停まった。
「奈々。」
と呼ばれ、奈々はゆっくり車に向かい、助手席に乗り込んだ。
「急に、ごめんね。海を見たいなんて。」
奈々は静かに言った。
「俺も、見たかったから。」