肉食御曹司に迫られて
それから、到着するまで、FMラジオが静かに流れていただけだった。
二人は、車を降り、海岸に向かった。
初めて会った日のように、月が海を照らしていた。
二人は、以前と同じ場所に座った。
そばらく、無言で波の音を聞いていた。
奈々が、口を開いた。
「ねえ、この出会いは偶然、必然?」
「今は、わからない…。」
その、湊の答えに、奈々は力なく笑う。
あの時の、波の音。今でも思い出せるよ。
あなたの、すべてに恋してる。