肉食御曹司に迫られて
湊は心の底から思った。

帰りの車内も、FMラジオが流れていた。
奈々のマンションの前に着き、いつものように湊はハザードランプを灯し、ヘッドライトを消した。
「奈々…。俺…。」
その言葉に被せるように、正面を向いたまま奈々は言った。
「湊、あたしと一緒にいたいって思ってくれてる?」
「もちろん。」
湊は奈々の目を見て答えた。

その答えに、奈々は湊を見て微笑んだ。

そして、湊にキスをした。
湊は、奈々の突然の行動に、動けずにいた。
奈々は、唇をゆっくりと離し、湊の瞳を捉えると、ゆっくりと言った。


< 148 / 191 >

この作品をシェア

pagetop