肉食御曹司に迫られて
7.決意

TOKYO 丸の内

次の休みの日、奈々はこないだ置かれていった名刺を手に取って眺めていた。

湊から、何度か連絡があったが、出れずにいた。
どう説明すべきか、わからないし、奈々自身がケリをつけなければいけない事がある。

それまでは、自分のすべき事をする。
そう、決めた。

9時32分…。

コーヒーをキチンと丁寧に落として入れた。
そして、ゆっくり飲んだ。

意を決して、秘書 入江大輔、その人の携帯に電話をかけた。

数コールして、
「はい、入江です。」
とその人は出た。
「突然のお電話申し訳ありません。水澤です。今よろしいですか?」
奈々は落ち着いた声で聞いた。
「はい、大丈夫です。」
「こないだのお話の件で、樋口社長にお会い頂けるか、確認して頂きたいです。」
入江は少し時間を置いて、
「わかりました。また、ご連絡します。」
と電話を切った。

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