肉食御曹司に迫られて
その夜、奈々は、結花を呼び出していた。
≪B.C.square TOKYO≫の7Fのイタリアンレストラン。
高層階のような豪華さはないが、華やかで、明るい店内は賑わっていた。
奈々は、一度戻り、仕事終わりの結花と合流した。
2人はスパークリングワインを頼み、
前菜を選んでいた。
「あたし、生ハムとチーズ食べたい。」
結花は言った。
「いいね、あたしは…アヒージョ、キノコの」
注文を終え、2人で乾杯をした。
グラスに少し口をつけると、
「ねえ、奈々、乾杯することあったの?」
と結花は聞いた。
「全くない。でも今日は頑張ったからいいんだ。」
「休みだったよね?」
「うん…。でも、彼の父親の所に乗り込んできた。」
「はっ!!!???」
結花は心底驚いたようで、
「全く状況飲み込めないんだけど。」
奈々は、頷いて、
「そうだよね、簡単に言うと、彼には婚約者?みたいな決められた人がいて、彼の父親は私の事を認めてない。そんな感じ。」
「あの、迎えに来てもらった後、そんな事になってたの?」
結花は驚きを隠せないようだった。
「そう、これが素性を語らなかった理由だったみたい。客観的に見て、遊ばれたって言ってしまえば、それで終わりの話だったのかもしれないけど…。あたしは本気だしね。そして、彼も、今は本気だって信じてる。」
結花は、
「お父さんはなんて?」
「認めないって。」
「そっか…。」
「でも、あたしが認めてもらうしかないでしょ?」
奈々は、笑った。
「彼は、逃げよ!駆け落ちだ!みたいにはならないの?」
奈々は少し悩んで、
「うーん、それはできない。あたしもして欲しくない。立場もあるし。」
「大人って、好きってだけじゃなんともならないよね…。学生に戻りたい。」
結花はしみじみ言った。
≪B.C.square TOKYO≫の7Fのイタリアンレストラン。
高層階のような豪華さはないが、華やかで、明るい店内は賑わっていた。
奈々は、一度戻り、仕事終わりの結花と合流した。
2人はスパークリングワインを頼み、
前菜を選んでいた。
「あたし、生ハムとチーズ食べたい。」
結花は言った。
「いいね、あたしは…アヒージョ、キノコの」
注文を終え、2人で乾杯をした。
グラスに少し口をつけると、
「ねえ、奈々、乾杯することあったの?」
と結花は聞いた。
「全くない。でも今日は頑張ったからいいんだ。」
「休みだったよね?」
「うん…。でも、彼の父親の所に乗り込んできた。」
「はっ!!!???」
結花は心底驚いたようで、
「全く状況飲み込めないんだけど。」
奈々は、頷いて、
「そうだよね、簡単に言うと、彼には婚約者?みたいな決められた人がいて、彼の父親は私の事を認めてない。そんな感じ。」
「あの、迎えに来てもらった後、そんな事になってたの?」
結花は驚きを隠せないようだった。
「そう、これが素性を語らなかった理由だったみたい。客観的に見て、遊ばれたって言ってしまえば、それで終わりの話だったのかもしれないけど…。あたしは本気だしね。そして、彼も、今は本気だって信じてる。」
結花は、
「お父さんはなんて?」
「認めないって。」
「そっか…。」
「でも、あたしが認めてもらうしかないでしょ?」
奈々は、笑った。
「彼は、逃げよ!駆け落ちだ!みたいにはならないの?」
奈々は少し悩んで、
「うーん、それはできない。あたしもして欲しくない。立場もあるし。」
「大人って、好きってだけじゃなんともならないよね…。学生に戻りたい。」
結花はしみじみ言った。