肉食御曹司に迫られて
今までのキスとは違う、長いキスに奈々は湊のシャツをきゅと掴み、力が抜けそうになるのを耐えていた。
そんな、奈々に容赦することなく、湊は今までとは全く違う、奪うような激しいキスで奈々の唇を奪う。
「んっ…。」
奈々は、息継ぎもままならないキスに、声を漏らした。
「ふっ…んっ…。」
角度を変えて、繰り返された後に、口内に侵入してきた舌が、奈々の舌を絡め取ると、さらに熱を帯び、崩れ落ちそうになった。

そんな、奈々の腰を支えると、湊は唇をそっと離した。

「奈々…かっこよすぎ。惚れ直した。好きになったのが、奈々でよかった…。」
消え入れそうな声で言った。
「ホント、ありがとう。」そして、
そういうと、奈々の首筋に頭を埋めた。
次に、顔を上げると、奈々を見つめた。
初めて見る、熱っぽく、真剣な湊に奈々はドキっとした。
「俺も、もう逃げない。奈々がそう決めてくれたなら、俺の人生に奈々を巻き込む。いい?」
奈々は、涙で濡れた瞳を湊に向けると、
「もちろん。」
と微笑んだ。
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