肉食御曹司に迫られて
9. 幸福
TOKYO
仕事が終わり、携帯を見た。
≪入江大輔 着信≫
の文字があった。
一瞬で緊張が走った。
(- 1時間前か…)
奈々は、急いで着替えて、外に出た。
入江にコールをする。
「はい、入江です。」
「水澤です。お電話に出れず、申し訳ありません。」
「いえ、お渡ししたいものがあるのですが、ご自宅に何時ごろお戻りになりますか?」
「あと、30分ぐらいです。」
「わかりました。またマンションの前でお待ちしています。」
「解りました。」
(- なんだろう?)
奈々は、逸る気持ちを抑え、家路を急いだ。
マンションに近づくと、以前見たレクサスLSが止まっていた。
近づいて、窓をコンコンと奈々はした。
入江はぱっと外を見ると、一礼して降りてきた。
「こちらを。」
と奈々に封筒を渡した。
「なんですか?」
奈々は、お金?と一瞬怪訝な顔をした。
その事を悟ったのか。
「招待状です。」
「招待状?」
奈々は聞いた?
「1か月後に、樋口グループの創立パーティーと新会長、新社長の就任パーティーを行います。そちらの招待状です。」
「私にですか?」
「はい、湊様と湊様のお兄様、すなわち新社長のお相手候補のお嬢様も皆さまいらっしゃいます。」
入江は一度区切ると、
「ここからは、社長のお言葉のままです。『湊の相手の女性を知らないから、自分の劣っているところが解らないというなら、自分の目で見ることだ。』とのことです。」
「…そういうことですか。」
「もちろん、お越し頂かなくても結構です。お任せします。それでは。」
入江は一礼すると、車に乗り込み、音もなく車は走り出した。
奈々は、家に帰ると、その招待状を丁寧に開けた。
9月12日(土)
場所 帝都ホテル 鳳凰の間
(- 本気のパーティーか。)
そろそろ、自分の問題にも向き合わなければ…。
奈々は深くソファーに座り、ぎゅっと目をつぶった。
(- 湊と出会ったのは…必然だと思いたい。あたしも逃げる訳は行かない。)
≪入江大輔 着信≫
の文字があった。
一瞬で緊張が走った。
(- 1時間前か…)
奈々は、急いで着替えて、外に出た。
入江にコールをする。
「はい、入江です。」
「水澤です。お電話に出れず、申し訳ありません。」
「いえ、お渡ししたいものがあるのですが、ご自宅に何時ごろお戻りになりますか?」
「あと、30分ぐらいです。」
「わかりました。またマンションの前でお待ちしています。」
「解りました。」
(- なんだろう?)
奈々は、逸る気持ちを抑え、家路を急いだ。
マンションに近づくと、以前見たレクサスLSが止まっていた。
近づいて、窓をコンコンと奈々はした。
入江はぱっと外を見ると、一礼して降りてきた。
「こちらを。」
と奈々に封筒を渡した。
「なんですか?」
奈々は、お金?と一瞬怪訝な顔をした。
その事を悟ったのか。
「招待状です。」
「招待状?」
奈々は聞いた?
「1か月後に、樋口グループの創立パーティーと新会長、新社長の就任パーティーを行います。そちらの招待状です。」
「私にですか?」
「はい、湊様と湊様のお兄様、すなわち新社長のお相手候補のお嬢様も皆さまいらっしゃいます。」
入江は一度区切ると、
「ここからは、社長のお言葉のままです。『湊の相手の女性を知らないから、自分の劣っているところが解らないというなら、自分の目で見ることだ。』とのことです。」
「…そういうことですか。」
「もちろん、お越し頂かなくても結構です。お任せします。それでは。」
入江は一礼すると、車に乗り込み、音もなく車は走り出した。
奈々は、家に帰ると、その招待状を丁寧に開けた。
9月12日(土)
場所 帝都ホテル 鳳凰の間
(- 本気のパーティーか。)
そろそろ、自分の問題にも向き合わなければ…。
奈々は深くソファーに座り、ぎゅっと目をつぶった。
(- 湊と出会ったのは…必然だと思いたい。あたしも逃げる訳は行かない。)