肉食御曹司に迫られて
奈々は、そんな様子をチラッと見たが、晃や、アレックスや周りの人たちに挨拶をしたり、話をしたりしていた。

「奈々。」
湊は優しく呼ぶと、奈々の横に立った。
そっと、小声で
「流石だな。親父の負けだ。」
と笑った。
「良かった…。」

湊の兄や、役員たちが
「湊くん、そちらは?」
「水澤奈々さんです。私の大切な人です。よろしくお願いします。」
と、奈々を自分の横にそっと引き寄せた。
湊が紹介した事で、まわりは、一気に奈々を見た。
奈々は、その言葉と視線に内心動揺していたが、いつものビジネスモードで乗り切った。

「あの人が…?でも、お似合いすぎ。」
「ミナト、そういうこと?」
アレックスがなーんだ、という顔をした。
アミラは、腕を組んでふっと笑った。

< 182 / 191 >

この作品をシェア

pagetop