肉食御曹司に迫られて
ほどなくして、4人が揃い久々の食事が始まった。
前菜、スープ、と料理が進み、ワインも進んできたころに、店内からピアノの生演奏が始まった。

「この、ピアニスト上手いな。」
結構な腕前を持つ、晃がいうのであれば、そうなんだろう、と湊も耳を傾ける。
確かに、食事の邪魔にならず、心地よいメロディーが流れている。

「どんな人が弾いてるんだろう?」
晃が興味をもったようで、
スタッフに演奏者のプロフィールを持ってきてもらう。

晃はプロフィールを見ながら、
「綺麗な女性だ、ショパンコンクール入賞…どうりで上手いはずだ。」
と笑いながら、湊に渡す。

プロフィール自体は簡単な物だったが、
小さく映った写真と、名前に湊は晃からプロフィールを食い入るように見ていた。

名前 NANA  
ショパンコンクール 入賞経験あり。



それだけしか書かれていなかったが、
写真はこの前会った、奈々に似ていた。
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