肉食御曹司に迫られて
KAMAKURA 鎌倉
土曜日の鎌倉は観光客でかなり賑わっていた。
コインパーキングを見つけ、なんとか車を止める。
「湊、あっちかな?」
奈々は、遠くを指差すと、早速目的の店を探し歩き始めた。
その後ろを、ハイハイという感じで湊が追う。
勢いよく行ったものの、あまりの人に、奈々は前から来る人波に押され後ろに下がった。
その様子を見て、
「奈々ちゃん、こっち」
と呼ぶと、奈々の腕を取り自分の腕に絡めた。
「ホント、すごい人だな…。土曜日なめてたわ。ちゃんと持ってて。」
と続けた。
奈々は一瞬ポカンとしたが、湊のあまりにも滑らかな、自然な行動に、
「ありがとう。」
と素直に腕を組んだ。
(― ホント、自然だ。そして…女慣れしてるわ。)
身体が触れ合うことに、いつもなら少なからず、嫌悪感を抱きやすい奈々だったが、むしろ、安心できるその腕に少し力を込めた。
コインパーキングを見つけ、なんとか車を止める。
「湊、あっちかな?」
奈々は、遠くを指差すと、早速目的の店を探し歩き始めた。
その後ろを、ハイハイという感じで湊が追う。
勢いよく行ったものの、あまりの人に、奈々は前から来る人波に押され後ろに下がった。
その様子を見て、
「奈々ちゃん、こっち」
と呼ぶと、奈々の腕を取り自分の腕に絡めた。
「ホント、すごい人だな…。土曜日なめてたわ。ちゃんと持ってて。」
と続けた。
奈々は一瞬ポカンとしたが、湊のあまりにも滑らかな、自然な行動に、
「ありがとう。」
と素直に腕を組んだ。
(― ホント、自然だ。そして…女慣れしてるわ。)
身体が触れ合うことに、いつもなら少なからず、嫌悪感を抱きやすい奈々だったが、むしろ、安心できるその腕に少し力を込めた。