肉食御曹司に迫られて

(ー さらっと言ってくれるな…この人は。)
奈々は思った。

今までみんに求められてきた物をあっさり否定し、そのままでいていい。
(― この言葉がどれ程嬉しいか、湊にはわからないだろうけど。)

そして、奈々は湊の瞳を見つめ、
「ありがとう。」
心から言った。
「…何が?」
湊は少し不思議そうな顔をしたが、すぐに
「どういたしまして。」
と微笑んだ。

本当に、おいいし料理だった。海が近いから、魚介類が新鮮だ。
湊おすすめのエビのクリームパスタも絶品だった。濃厚なアメリケーヌソース。
もっと食べたいぐらいだなと奈々は思った。
シラスの有名な場所だけあってシラスのピザもアンティパストもどれも美味しかった。
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