肉食御曹司に迫られて
「奈々、少し海岸行ってみる?好きだろ?」
「うん…。」
いつもの海岸に、ふたりで歩いてきた。
奈々はそんなにお酒に弱くはないが、久しぶりのお酒に少しテンションが上がっていた。
「湊、すごいキレイな貝がいっぱいだよ〜。」
と貝を持って奈々は笑顔で手を振る。
そんな、奈々に、
「奈々、濡れるぞ!」
湊は、石階段に座りはしゃぐ奈々に声をかけた。
「大丈夫だよ~!湊もおいでよ~!!」
酔っているせいもあり、くるくる回りながら奈々は言った。
「おい、ホント転ぶぞ!」
その声に応えるように、
「えー。ほらほら見て見て!ほら、貝殻!」
と湊が来ないことわかると、奈々は湊の方へ走り出した。
走り出した奈々を見て慌てて、湊も立ち上がり、奈々の方へ駆け寄る。
「おい、走るとあぶ・・!!」
いった先から、奈々は砂に足を取られてよろけた。
「ふぅ…。だから、言っただろう」
と、湊は軽くため息意をついて、奈々を支え、見下ろした。
奈々は、
「ごめん、ごめん」
と支えられた腕の中で顔を上げた。
お酒のせいか、少し赤く上気した頬、うるんだ瞳、赤い唇がそこにあった。