【完】お前しかみてねーよ、最初から。
「………好きな奴いんの?」
問題集に目を向けたまま渚がそんなことを聞いてきた。
「え、好きな人?」
どうしたいきなり。
この間といいこいつ変だぞ。
「べ、別にお前が好きとかそういう訳じゃないからな!た、ただ気になっただけだ!」
何慌ててんだコイツ。
「…で、いるのかよ」
「いないけど」
「…ふーん」
「まぁ彼氏は欲しいけどね☆」
チャラけて言ってみる。
するとペンを置いて、
いつになく真剣な目で私を見て。
「お前の彼氏、俺がなってやってもいいけど?」