【完】お前しかみてねーよ、最初から。
「……あのさ2人って付き合ってんの?」
「は!?ないないない。絶対ないから!
そもそも私あいつのこと嫌いだし!」
自分の顔の前で両手を大きく振って、
必死で否定する。
「ハハッ、そんなに否定しなくても。
…なら俺にも望みはあるってことだね」
「…ごめん最後聞き取れなかったんだけど…」
申し訳なく爽汰くんを見れば、
いつもの必勝爽やかスマイルを浮かべて。
「ううん、独り言だから大丈夫。
…あのさ夏休みにどっか行かない?」
「え!?いいけど、でも…」
何で私?っていいかけようとした時、
「爽汰ー!もうすぐ練習始まるよ?
…………あれ、榎本さん?」
体育館の入口から顔を覗かせたのは、
同じクラスの神崎さん。