【完】お前しかみてねーよ、最初から。
セカンドキス
「知り合いに会ったらどうすんの!?
付き合ってるって誤解されるじゃん!」
無理矢理手を離そうとするけど
「……俺は別に誤解されてもいいけど?」
人気の少ない河川敷までいけば、
ゆっくり渚が振り向いた。
「は、はぁ?何言ってんの!?
嫌いな奴と付き合ってるって誤解されるんだよ!?」
「…嫌いなんかじゃねぇよ」
「え?」
「…本当はお前のことがーー」
ドーンと大きな音を響かせて、
夜空に打ち上がる花火。
花火のせいで渚の言葉が聞こえない。
「ごめん、声小さくて聞こえな……」
…………………………え?