【完】お前しかみてねーよ、最初から。
私の顔を覗き込んでニッコリ微笑むと、神崎さんは私に背を向けて歩き始める。
「あ、そうだ」
神崎さんは少し歩いて立ち止まり声を上げた。
そしてゆっくりと振り返ると、ニッコリと可愛らしい笑みを浮かべて。
「爽汰との恋応援するね♪」
それだけ言い残して、神崎さんは私を置いて行ってしまった。
「………」
私の曖昧な行動で、
渚を傷つけていて
「………」
それに気づかないで
私は渚を振り回してた
“どうすればいいかわかったよね?”
私はただただ廊下に立ち尽くしていた。