【完】お前しかみてねーよ、最初から。
「……先生いないみたいだな」
ゆっくりと私を保健室の椅子に座らせる。
「待ってればもうじき来るだろ」
「リレーに間に合うかな…」
「は?」
小さい独り言に、渚の短い声。
「お前、この足でリレー出る気かよ?」
「リレー出ないと迷惑かけちゃうし、
それに私が我慢すればそれで…」
渚は大きくため息をつく。
「そんなんダメに決まってんだろ」
強い口調に顔をあげると、渚が怒ったような表情で私を見ていた。