【完】お前しかみてねーよ、最初から。
職員室に続く渡り廊下。
人影が目に入る。
辺りが暗くて顔はわからない。
ーーでも、
「…何やってんだよそこで」
声で誰かはわかった。
「……足、大丈夫か?」
ジンジンと痛む足。
「…うん」
「…そ。今から佐伯のとこに行くんだろ?」
「……は?」
何言ってんだ?と意味が理解できないでいると、渚は自嘲気味に笑って
「…悪かったな、佐伯じゃなくて」
じゃーな、と私の真横を通り過ぎる。