【完】お前しかみてねーよ、最初から。
「お前、遅「あれ!渚くん久しぶりじゃない!」
開いたドアの奥から出てきたのはさくらの母さん、美琴(みこと)さんだった。
「あっ、お久しぶりです」
美琴さんは緩くウェーブのかかった髪の毛を揺らしながら俺の方へと歩く。
大きくパッチリした瞳は相変わらずさくらにそっくりだと思う。
「ちょっと〜聞いたわよっ!さくらと付き合ってるんでしょ!」
「あっ、はい!お付き合いさせて頂いてます」
そう言い、ペコリとお辞儀する。
頭を上げ目が合うと、琴美さんはニコッと笑みを浮かべた。