イジワルな副社長に恋してる！
絢香は、店を出て、晃に着いていった。
コインパーキングに着くと、
「乗って。」
と晃は素っ気なく言った。
黒のBMWの7シリーズ。

（ー 左ハンドルなんて初めてかも。）
そんな事を思っていると、晃に助手席のドアを開けられ、目で促された。
何も言えず、絢香は乗り込んだ。

バタンと扉が閉められ、晃も運転席に乗り込んだ。
絢香は今までにない空気に、何も言えず外を見た。

口を開いたのは晃だった。

「なんで朝起こさなかったの？」
抑揚のない声で聞いた。

「なんでって…よく寝てたし、なんかパニックっちゃって…ごめんなさい。」
絢香は素直に謝った。

「俺といるのが嫌だったからとかじゃないんだ？」

（－　え？？！）
絢香は意外な問いに、耳を疑った。

「そんな…嫌とかじゃない。覚えてないし、何か迷惑かけてたらどうしよう…って。」
絢香は、なぜか涙が出そうなのを必死にこらえた。


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