イジワルな副社長に恋してる!
晃は自分の中の苛立ちを隠せなかった。
ついつい、思っていないことが口から出る。
今まで、決して少なくない女性と付き合ってきた。
優しい言葉をかけ、エスコートをし、ベットを共にする。
綺麗で、申し分もない女性ばかりだった。
完璧な自分でいられた。
こんな、苛立つことなどなかった。
目の前で涙をこらえる絢香をみて、何とも言えない感情だった。
きつい態度で泣かせてしまった罪悪感と、自分の事で泣いているという、少しの優越感が心の中でぐちゃぐちゃに混ざるのを感じた。
気づくと、無意識に絢香を自分の胸の中に押し込めていた。
唇を奪いたい衝動をどうにか抑えて、絢香の瞳を覗き込んだ。
微笑んだ絢香をみて、少し安堵した。
やっとのことで、いつもの自分を取り戻すと、
「ごはん食べにいける?」
と絢香に聞いた。