イジワルな副社長に恋してる!
絢香は足早に片付けをして、前のカフェに向かった。
どこだろう?と外から覗くと、何やら楽しそうに話している晃と女の人が絢香の視界に入った。
一瞬、チクっとした胸の痛みを感じて、声をかけれずにいた。
立ち竦む絢香を見て、晃はその女の人に、微笑むと外に出てきた。
「声、掛ければよかったのに。」
なんか、お邪魔みたいだったから。」
絢香は、胸のモヤモヤを八つ当たりするような言い方をした。
(ー しまった。)
「ふーん。ヤキモチ?」
晃はニヤっとして聞いてきた。
「そんな訳ないでしょ…なんであたしが…!」
絢香もつい、言ってしまった。
「そっか。ならいいけど。オレが誰と何しようが、絢香には関係ないもんな。」
と、表情を変えずに晃は言った。
絢香は心の中が、ヒヤッとして、落ち着かなくなった。ドクンドクンと音がするのを感じた。
(ー 嫌なんだ。)
絢香はざわつく胸の音をなんとか、押し込めようと平静をよそった。
その後、初めて行ったBARに向かったが、絢香自身、何を話したのか、わからなかった。